カフカ君の誕生日

 村上春樹の『海辺のカフカ』、読まれた方も多いと思います。
 私も昨年読んで結構はまり、アマゾンのカスタマー・レビューに投稿してしまいました。転載します。

 
「オイディプスコンプレックス・憑依・死の世界・超能力などを舞台設定に、カフカ少年の“成長”を一応時間の流れにして、世界観・文学・音楽に関するペダンティックでない知識が散りばめられたとても面白い物語。氏の構成力、文章力、想像力に毎度のことながら感心します。

特に印象的なのは漱石の「坑夫」についてのカフカの感想。「この小説はいったいなにを言いたいんだろう」「でもなんていうのかな、そういう『なにを言いたいのかわからない』という部分が不思議に心に残るんだ。」
これはそのまま本書についての読者の感想といえるのではないだろうか。

文学・小説についてのもっと知識があればより楽しめるのではないかとも思う。巻末に載せられた、本書と関連する文学作品を読みたくなる。読書欲をそそる書。 」


 今思うと、肝心なことが書かれていませんが、それはそれとしまして、その後文学会(という名の飲み会)で、これを取り上げることになり、再読しました。

 そこではて?と思ったのです。
 カフカ君は15歳の誕生日前日に家出をするのですが、肝心の誕生日が何日なのかははっきりと書かれていないのです。
 そこで、このような表を作ってみました。PDFファイルです。

 カフカ君の誕生日を知るための構成表

 この物語は、カフカ君の行動と、ナカタさん&ホシノさんの行動が交互に章立てされているのですが、時間的には若干のずれがあるんですね。ついでにこれもわかるようにしています。

 父親が亡くなった日から具体的な日付を特定し、激しい雷のあった日から両者の行動日を一致させ、その前後を埋めていくという方法をとりました。

 その結果、カフカ君の誕生日は5月19日と推定されました!

 さらに、5月19日生まれの有名人を調べてみたんです。絶対何か隠されているとにらみました。ひょっとして村上春樹本人?やっぱりフランツ・カフカか?それとも漱石?アイヒマンだったらどうしようなどとわくわくしながら。

 でも、ぴんとくる人がいませんでした。ホー・チ・ミン、マルコムX、アンドレ・ザ・ジャイアント、鈴木志郎康…と興味深い人たちが並んでいましたが、本文と関係ありそうな人は見当たらなかったんです。こうなると、ちょっと5月19日というのが怪しくなります。でも前後の日にもこれという人はいないんですよ。

 なんとも落ちのない話で恐縮です。

 
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  • 2007/12/31 07:16
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