「山」じゃないのに「里山」と呼ぶ

  • Day:2005.05.08 00:20
  • Cat:魅力
 20年くらい前、当時の西ドイツに行ったとき、どこまでもフラットな大地のところどころに木々が生い茂る風景が新鮮に映りました。日本では木といえば山に生えていて、平地には建物が建つか農地として開発されているのが普通です。ですから、ヨーロッパは土地が(正確には平地が)あまっているんだなあと思いました。

 ではいったい、里山は山なのでしょうか、平地なのでしょうか?そんな疑問にヒントを与えてくれたのが、「里山と人の履歴」(犬井正著 新思索社 2002年)です。
 この本によりますと、明治20年代頃の「府県勧業年報」という文献などでは森林が「山地の森林」と「平地の森林」に分類されており、「平地の森林」=里山を指していたようです。
 ところが数年後からは両者の区別がなくなり、森林といえば「山林」だけで、以後現在の農林業センサスに至るまで平地の森林(平地林)という言葉は使われなくなりました。犬井氏はその理由として、産業革命の進展により、薪炭材や堆肥の供給源としての平地林の重要性が薄れてきたためではないかと述べています。

 また、同書にある関東地方の森林分布図では、丹沢、奥多摩、房総半島南部などは山地とされ、平地林は関東平野にある台地(下総台地、武蔵野台地、常陸台地)と平地(九十九里平野など)上にところどころ分布しています。

 以上のことより、里山は山地とは異なり、台地や平地に存在する森林であると考えることができるのではないかと思います。

 私が里山に魅力を感じるのは、樹木の少ない平らなところに、こんもりと緑の島が浮かんでいるように木々が生い茂っているからなのかもしれません。




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  • 2005/06/03 00:39
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