復興計画

  • Day:2012.04.16 13:49
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大津波から1年1カ月がたち、甚大な被害を受けた海岸地区の復興計画を市が策定した。

その説明会が保健福祉センターで行われたので、昨日、行ってみた。

三つ大きな論点があった。

1.海抜6メートルの減災林で十分か
2.一時避難タワーは却ってミスリードするのではないか
3.いいおか荘をどうするか

一番気になる津波対策については、海抜6メートルの盛土に松・トベラ・マサキを植える減災林を整備するというもの。この高さが問題になった。

3.11の津波は7.6メートルと言われている。6メートルでは防げないではないか、という疑問が当然挙がった。

市長の説明はこうだ。
・この事業は県の事業であり、県の説明によれば6メートルを超えて流れ込む津波は(元禄津波と同規模と想定して)、床下浸水程度のものであること。
・これ以上高くすると予算がかさむ。

高くすれば景観が損なわれ、観光に打撃を与える、という意見も会場から出た。

そして、川沿いに住む方からはこんな意見が出た。「転居も考えたが、掃除して住み続けることにした。20メートル、30メートルの堤防を作れば津波は防げるかもしれないが、そんなお金があるなら仮設住宅暮らしの方に使ってほしい。自分はまた津波で被災しても市に対して文句は言わない」

拍手が湧いた。少し奇異な感じがした。

* * *

このやりとりを聞いて、自然災害を防ぐためには、人間はあらゆる努力をしなければならないのだろうかと今更ながら思う。

地震津波に限らず、台風大雨洪水噴火落雷竜巻土砂崩れなどなどで毎年のように犠牲者が出る。それは当人や近親者はもとより、同じ人間として痛ましいことと思う。この犠牲をゼロにすることは、どんなに金をかけてもできない。

でも、その被害を減らすために、人は天気予報の精度を上げ、火山活動をモニタリングし、川岸をコンクリート固め、砂防ダムなる醜悪なものまで築いてきた。その結果、多くの救われた命があるだろうとも想像できる。

で、防潮堤の話に戻るのだが、どこまでの津波を防ぐことを目指すべきなのか?

市長からは、6メートルの減災林ならば、1000年に一度の津波は防げないかもしれないが、数百年に1度の規模には対応できる、というような趣旨の発言があった。景観もそれほどさえぎられることはないだろう。

それを妥当と言うには勇気がいる。1000年に一度の津波で予想される犠牲者を切り捨てるのか!との怒声が聞こえてきそうだ。

しかし、では、海が見えなくなるほどそびえたつ防潮堤に囲まれて生活するのかという疑問には勝てない。それでは飯岡に住んでいるとは言えないであろう。生活の質の問題である。毎朝眺める海の景色に、飯岡の人々はどれほど生の充実を感じてきただろう。

ただ、海のそばに住む幸福のためなら津波で死んでも構わない、というのではもちろんない。行政に文句を言わないというのもちょっと違う気がする。たとえば、行政が正確・適切な情報を出さず、誤った情報を流した結果の被害であれば、当然行政の責任問題は発生する。

自分が自分の責任で居住場所を選択するというのは結構だ。潔い。しかし現実にはそこにしか住めないので住んでいるという人もいる。その人たちが要望しにくいような雰囲気になってしまったとしたら、残念である。


今年もチューリップが咲きました。tulip2012

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