全国区

「千葉のどちらのほうですか?」

と聞かれ、頭をかきながら、

「銚子の隣で、『あさひ』ってところです」

と応えていた。

相手は初めて聞く地名に困惑の表情を浮かべるのみである。

さらに、ちょっと前までは、

「海の上と書いて、『うなかみ』っていう農村です」だった。

ここまで来ると知らないほうが当たり前だから「へえ~」というリアクション。

それが今は、

「ああ、旭ですか」と話が早い。

でもそのあとに、「大変ですね」という言葉が続くようになった(なってしまった)」

言うまでもなく、津波被害とその後に続く放射能被害の所為である。

※ ※ ※

少し前までは東京で語られることが地元でさらに切実さをもって語られるなんて想像できなかった。

それが28日、原子力研究者の講演会が行われた。シーベルトやベクレルが私たちの口にも膾炙する。

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元日本原子力研究所の笠井篤さんがおいでくださった。氏のお話で印象に残ったフレーズを記す。順不同。

1.東電福島原発からの放射能の流出は終わっていないのだから、今後もスポット的に放射性物質による汚染の高い場所が現れるおそれあり。

2.ひとに対する被ばく線量が年間1ミリシーベルトと規制している法律はない。あるのは放射線管理区域および周辺監視区域の外は、年間1ミリシーベルトとすべきという規制である。(だからひとの被ばく線量が法律で年間1ミリシーベルトと決まっているとおっしゃる学者には疑問、という文脈だった)

3.CTスキャンやレントゲンによる被ばくは、その結果得られる情報が治療の役に立つが、原発からの被ばくは何の役にも立たない。この両者を比較してはいけない。ちなみに日本人の被ばくに占める医療被ばくの割合は断トツ。

4.セシウムは地中5cm程度に収まっているが、ストロンチウム90はもっと深くまで入っている。

5.原発がCO2を出さないからクリーンなんてとんでもないと言ってきた。環境の人からはいじめられた。

6.太陽光発電はパネルを作るのに電気が大量に必要だし、またその処分が大変。

7.校庭の放射線量3.8μシーベルトを認めたのは夏休みまでの暫定的なもの。小佐古氏が辞任したのは勇み足。

8.自然エネルギーで有望なのは地熱発電だろう。ニュージーランドでは水力と地熱だけでやっている。

9.核分裂による原子力発電は核融合までの過渡的なもの。

10.100ミリシーベルト以下の被ばくと発がん、白血病発症の因果関係は立証されていない。

※ ※ ※

10番目をどう考えるかが一番問題か。因果関係は分かっていないが、少しでも被ばくを避けようとするかどうか。いずれにせよ、車で10分とかからない文化会館で、こんな話が聞けるとは思わなかった。

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