今後の電力制度と「メディア圧迫罪」創設の提案

この2カ月余りの議論で、原子力発電への依存を減らし再生可能エネルギーを増やしていくためには、次のことをすべきというコンセンサスが醸成されてきたように思う。一言でいうと、地域独占の廃止と総括原価方式*の廃止である。

1.現行、発電・送電・配電が一体となっている制度を解体し、全国または東西日本レベルの公営送電・配電事業と民間による発電事業に分離する。発電事業については広く民間企業に門戸を開く。

2.現在は電力会社がかけたコストに利潤をのせた額を基にして電力料金が決められているがこれを廃止し、電力料金は各民間発電企業の設定する電力料金に送電・配電コストを上乗せしたものとする。利用者はどの発電会社から電力を購入するか選択できる。

もちろん、再生可能エネルギーを供給する発電企業には優遇策をとるべきだろう。

これに加えて、刑事罰として「メディア圧迫罪」とでもいうべきものを新設してはいかがだろうか。

電力会社によるマスメディアの取り込みが今回の事故によって大きく注目された。勝俣会長は事故当日マスコミOBの接待旅行に中国に行っていたし、原発に批判的な番組を制作した放送局ではテレビコマーシャルが減らされたという。そもそも地域独占企業に莫大な広告費を「原価」として認めていた経済産業省も問題だが、電力会社は広告出稿削減をちらつかせてメディアを屈服させてきた。これらは憲法21条の報道、取材の自由を侵すものである。
その結果原発についての議論が封じ込められ、安全神話と無関心が蔓延してしまった。

「メディア圧迫罪」は、電力会社に限らず、広く広告を出稿している企業や業界が、当該企業・業界に不都合な報道がなされる(た)ことを理由として、その報道を行うメディアへの広告出稿量を減らすことを禁じるというものである。当該報道と出稿量減少の因果関係については、その不存在を当該企業が立証する責任を有することとすればよい。法人と個人の両者を罰する両罰規定とする。

個人的には刑罰が増えることを望むものではないが、これはありかと思う。

さらに踏み込んで、原発立地の過程で寄付金(や交付金)をえさに住民を分断し、一時的なつかみ金で賛成派を増やし、彼らの生活を破たんさせたことも罪に問うべきである。こちらの罪名は「コミュニティ買収罪」とでもいうべきか。


*念のため、地域独占と総括原価方式の根拠法規を調べてみた。
(地域独占)
電気事業法第五条に電気事業許可要件として、「四 一般電気事業又は特定電気事業にあっては、その事業のように供する電気工作物の能力がその供給区域又は供給地点における電気の需要に応ずることができるものであること」とある。つまり、これに基づいて一社に許可を出せば、同一区域では他の会社には許可が出せないという理屈になるのだと考えられる。

(総括原価方式)
やはり電気事業法の第一九条に、一般電気事業者の供給約款等を経済産業大臣が認可する際の条件として「一 料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」とされている。「原価」や「適正な利潤」については、平成11年の通商産業省令「一般電気事業供給約款料金算定規則」に書かれているが、非常に分かりにくい不親切な規定になっている。

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