キンメ

「風評」被害で安くなったと聞き、スーパーへ行ってみた。一軒目・二軒目は、このような高級魚は普段から扱っていないのか、どうせ仕入れても売れないと思ったのか、はたまた売り切れたのか見当たらず、7キロ離れた「ビッグハウス」でようやく入手。

kinme


全長40㎝、重量は1,050g。いつもなら3,000円はするところ、1,980円だった。今夜は焼酎をがすすみそうである。

※ ※ ※

放射性物質に無関心なわけではない。いまのところ茨城近海でとれたコウナゴのセシウムが基準値を上回った以外、ほかの魚では基準値以上の放射性物質が検出されていないから大丈夫だと思っているわけでもない。できるだけ放射性物質が含まれている可能性のある食品は食べまいと考えてきた。それは長生きしたいからではない。ただ、原発から出た放射能で寿命が縮むのは不快だったから。

それが一転キンメを探して3軒のスーパーを回る気になったのは、京大熊取原子炉実験所の小出裕章さんの講演会の記録「放射能を噛みしめながら」をyoutubeで見たせいである。

チェルノブイリ事故の後、日本人はヨーロッパ産の食品を避けた。でも彼はイタリアのスパゲッティを食べ続けた。美味しいからという理由と、もうひとつの理由は「私たちにはそれを拒否する権利がないのではないか」と考えたからだという。

原発を選択してきたのは私たちである。積極的に支持していたわけでなくとも、容認していたなら同じことであろう。そういう私たちに、放射性物質入りの食物を拒否する権利があるのだろうか。私たちが汚染された食物を拒み、経済力にものを言わせて安全な食物を日本中、世界中から集めだしたら、海外の、経済力のない国に住む人たちの食べるものが少なくなり、高騰するだろう。そして汚染された食物が彼らの食卓に上ることになるのではないか、という問いである。

拒否できるのは、今の日本のエネルギーのありように全く責任のない子供たちだけだと彼は続ける。

1988年、名古屋で行われた講演会。とても考えさせられる。

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