忘れられないワンカット~追悼:池田敏春監督

  • Day:2011.01.30 08:27
  • Cat:映画
日活ロマンポルノと言うと、顔をしかめる方もいるだろう。が、1980年前後いくつかの傑作が生まれたのは事実。『天使のはらわた 赤い教室』(曽根中生監督)『狂った果実』(根岸吉太郎監督)『赫い髪の女』(神代辰巳監督)などが思い浮かぶ。

池田敏春監督の訃報に接して思い浮かんだのは、『天使のはらわた 赤い陰画』のワンカットである。そう、あの地下鉄のホームを泉じゅんが走り出すシーン。

思わずビニ本のモデルになってしまった土屋名美(泉じゅん)。モデルとしての名美に思いを寄せる村木は喫茶店から出てくる名美を偶然見かける。ついてくる村木から逃れようとする名美は地下鉄の改札を通り抜けようとするときに定期券を落としてしまう。拾う村木を置いて、名美はホームを疾走する。

この最後のカットは、ドリーバックで撮られている。遠ざかる名美の後ろ姿は暴力的な速さで小さくなっていく。

ああ、映画ってこういう風に作るんだ、と思った瞬間だった。ワンカットワンカットをどう撮るか、考え抜いて撮っていくのだと実感させる画(え)だった。

以来30年間、時折このカットを思い出す。池田監督に感謝しつつ、ご冥福をお祈りします。

nami

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