コタバトから

フィリピンの南、ミンダナオ島にあるコタバトに来ている。昨日から始まったYouth Films for Peaceというワークショップに参加するためだ。参加者は18名の若者たち、主催はPROBE Media Foundation Inc.というケソンシティの会社である。

タイトルが示すとおり、このワークショップは平和を目指したメディアの利用を目的としている。18人の男女は5つのグループに分かれて3分程度のビデオ作品を作る。キーワードは平和、紛争・軋轢、相互理解、多文化主義などなど。

これらを扱った映像作品にどんなものがあるか、どんな立ち位置で表現しているかを午前中に紹介し、議論した。紹介した作品(予告編や一部)は次のとおり。この場を借りて御礼します。
・『華氏911』(マイケル・ムーア監督)
・『セプテンバー11』(ショーン・ペン監督のもの)
・『ノーマンズランド』(ダニス・タノヴィッチ監督)
・『駅馬車』(ジョン・フォード監督』
・第二次大戦中の日本のニュース映画
・『ザ・コーブ』(ルイ・シホヨス監督)
・『ダイオキシン』(レー・クイ・ドン中学校(ベトナム)制作)
・『パブリック・ハウジング』(フレデリック・ワイズマン監督)
・『ミリキタニの猫』(リンダ・ハッテンドーフ監督)
・「いつも卵の側に」(村上春樹氏のイスラエル賞受賞スピーチ)
・国境なき医師団のCM
・『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督)

強調したのは同じ出来事を題材としていても、描く視点が異なるとまったく違う作品になるということ。以前上司に教わった事をそのまま述べているのだが、当時より若干は実感が伴っていると思う。

ミンダナオ島には多くの部族が住んでいるが、最も最初から住んでいるLumadが8.9%、イスラム教とともにやってきたモロが18.5%、北部から移住してきたキリスト教徒が72.5%という人口比だそうである。土地の分配でLumadとモロが冷遇されたため、紛争が続いてきた。ここでもそうだが、土地という資源をめぐる軋轢がいつの間にかキリスト教とイスラム教の対立というフィクションに転訛されてしまっている。

十代後半の若者たちも紛争に無縁ではない。
午後のセッションでは5グループに分かれて、トピックを決めるためにこれまでの自分の体験を話し合ったが、一人の男の子は涙ながらに切々と語っていた。ビサヤ語なのでまったく分からなかったのだが、たぶん彼が経験した悲惨な思い出がそうさせたのではないかと推測する。

安穏な日本から来た自分に紛争解決のためのビデオ制作を語る資格がいったいあるのだろうかと若干戸惑うものの、だからこそ、ステレオタイプを脱した作品作りに協力する意味があるとも思う。

明日はシナリオ作り。
その後2日間で撮影・編集する予定である。

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