事業仕分けの影響

  • Day:2010.04.24 09:21
  • Cat:時事
昨日からまた事業仕分けが始まった。
公開の場で税金の使い道を議論することの意義は評価するものの、今回は民主党の支持率回復を狙った見世物的という雰囲気が色濃く漂っている。仕分け人の指摘も前回と同レベルであり、あの後起こりつつある仕分けのマイナス面を防ごうというような発想はないようだ。

このように言うにはわけがある。この頃仕分けのマイナスの影響をいろんなところで耳にするのだ。例えば、契約更新を拒否された某公益法人の女性がいる。

彼女はこの法人で働き始めて1年近く。1年ごとの有期契約ではあるが、通常3年程度は働けるというので就職した。ところがこの法人が仕分けの対象独法と縁が深く(つまり天下りを受け入れていて)、事業仕分けではこの法人への発注縮減という結論となることが予想される事態となった。つまり仕事が減るわけだから、人員を減らす必要が生じ、切りやすい契約社員がターゲットになったというわけだ。

そもそも彼女は仕分け対象の独法の事業に参加するために、それまで勤めていた会社を辞め、2年間のボランティア活動をしていた。それが終ってこの法人の契約社員となった。留学も含めて、今後の身の振り方を考えようと思っていた。それが1年で終わることになり、困っている。

契約社員なのだから契約更新がなされないことも予想されただろうとか、そのような法人に勤めたことが先を読む目がなかったのだとか、言うことはたやすい。しかし問題はそんなことではなく、仕分け人たちがこのような事態までを想定しているのかどうかということだ。私の見る限り、自分たちの振りかざす「正義感」が、立場の弱い人たちにしわ寄せを与えるかもしれないという想像力を持った人はいない。

よく話題にされるのが国から事業を受注している公益法人の幹部たちの高額な給与だ。1000万円を軽く超える額を、天下った人たちが手にしていることが指摘されている。ただ、それを減らせとは言わない。公益法人とはいえ他の組織に給与体系を変えろと言う権限がないことは仕分け人たちも知っている。だから税金による発注額を縮減せよという。そうすれば幹部たちの給与が下がるだろうと仕分け人たちは思っているのだろうが、そこには因果関係がない。希望的観測だ。幹部の給与が1500万円から1400万円に減ることはあるかもしれない。しかし同時に給与300万円の契約社員や派遣社員を5人くらい減らすという発想が生まれる。私が経営者でもそれを思いつく。それが現実になりつつある。

かくして若い人たちには職を得るチャンスがますます減ってしまう。残された社員も従来の2倍3倍の仕事を青息吐息でするようになる。これが行政刷新会議の目指していることなのだろうか。どんな政治的決断もプラス面とマイナス面を伴う。資金の流れを変えるときには、従来より多く得るものと少なく得るものが生まれるのは当然だ。そしてその少なく得る者の中にも格差がある。仕分けの結果起こりうる事態を考え、マイナス面を緩和するためにセーフティネットを張るという議論を経たとはとても思えない。それともそんな人たちは無駄な事業をしているのだから全員失業して当然だとでも思っているのだろうか。

一手打つことの快楽に酔っているだけで、二手三手先を考えていないのが民主党の人たちだ。支持率が回復するはずがない。

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