つげ義春の祖父

  • Day:2009.10.04 09:09
  • Cat:
「私の祖父は一時泥棒をしていた。」

こんな書き出しで始まる短い回想記がある。つげ義春の「万引き」というわずか3ページの文章だ。短いながらしかし、この文章には思わず笑ってしまい、ホロリとし、残酷さも感じるという3つの娯楽要素が詰め込まれている。

つげ義春が小学校4年生のころ、祖父は千葉県の横芝駅前の木賃宿に住み、漁網を盗んでは売りさばいていたという。祖父が大原のつげの家に時々来ると、つげは祖父に手塚治虫のマンガ本を買ってくれとねだった。祖父が盗みで得た金を持っていることを知って。

そんな祖父の泥棒生活も2年で破たんする。逮捕されて群馬の刑務所に入れられた。服役後の祖父は大原の家に同居した。つげはなおもマンガ本をねだる。そして本屋へ行き、字の読めない祖父に欲しい本を指差し、「間違えんなよ」と言って外へ出る・・・。

結末はお読みいただきたい。新版 つげ義春とぼく (新潮文庫)

※  ※  ※

私の母は横芝で育った。今でも小母の住む実家がある。私も子供のころから横芝にはよく行ったので、駅前の木賃宿はたぶんこちらではないかと思う。

ryokan


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