潮目

バリのヌサペニダでダイビングをしたとき、息を呑むような不思議な光景に出会った。

海底側の水が無数の小さな多角形のガラスの破片のように見えた。その多角形はあくまで透明で色とりどりの珊瑚がそこから見えるのだが、多角形の輪郭にあたる部分では珊瑚がゆがんで見える。車のフロントガラスに縦横のひびが入った状態で、その断片の一つ一つがあくまでも透明な状態とでも言ったらよいだろうか。

ガラスの断片の連なりは膜のように広がっている。その向こう側に進んでいくと体がひんやりとした。温度の違う水塊が出逢い、混じり合おうか合うまいか逡巡した結果がこの光景なのだ。小さな「潮目」だ。

潮目には回遊魚が集まるという。
なぜか。

プランクトンが多いからだそうだ。そこまでは聞いたことがある。ではなぜプランクトンが多いのか。

異なる水塊それぞれに固有のプランクトンがいて、その両方を食べられるから魚が集まるのではないかと思ってきたが、これは間違いだった。

正しくは、潮目では「収束型の渦と拡散型の渦が並んで発生し、収束型の渦が強いうちは、周囲から植物プランクトンや動物プランクトンが集ま」るからだそうだ。

そして海面では必ず海面収束が生じ、浮遊物や泡立ちが見られるという。

潮目のことを漁師は「ソバ」という。由来が「蕎麦」から来ているのかは不明だが、なるほどプランクトンの死骸が一本の蕎麦のように海面上にぐねぐねと伸びている。

日本近海で最大の潮目は、黒潮と親潮の出会うところ。北海道の南から銚子沖までを移動している。

その潮目が、銚子をして「江戸の台所」と言わしめるほど「食」の豊かな土地にした。

8月29日に銚子で行われるイベントは、そんな豊かな食を満喫しようというものである。




参考ホームページ:マリンサービス

Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。