知事選の争点の一つに

29日の知事選候補者5氏に対して、読売新聞がアンケート調査を行った。

医療・福祉・子育てといった設問と並んで、鬼泪山からの土砂採取の是非を問うているので引用する。

*   *   *

(届け出順、敬称略)
○森田健作
国有林破壊、水源汚染、海洋汚染、景観破壊、産業廃棄物不法投棄など、多くの無視できない問題を含んでいるため反対である。

○八田英之
さんざん破壊されてきた房総の山と自然を、これ以上痛めつける採取には反対。富津市の貴重な水源地域も保全できなくなる。

○西尾憲一
鬼泪山民有地では土砂採取を認める。官有地については採取は認めず、反対。自然破壊に対する防波堤としたい。

○白石真澄
審議会での議論を見守っていきたい。地域経済の発展、自然環境との調和等の視点から、総合的な産業としての振興計画が必要だ。

○吉田平
禁止する。もともとアクアラインなどの県内大規模工事に限定されてきたものだ。地域住民の生活と豊かな里山を守る。

*   *   *

一番意外だったのは森田候補の回答だ。自民党の一部から支援を受けている氏のことであるからこの問題については採取に賛成だろうという先入観があった。併せて訊かれている八ツ場ダムと三番瀬(第2湾岸道路)の件ではいずれも慎重な回答をしているのに、鬼泪山については歯切れがいい。自民党県議のなかにも採取反対の人がいるということなのだろうか?それとも大した問題ではなくどっちでもいいということか。だとするとどうして土石審メンバーの自民党県議4人全員が採取賛成派なのか不思議だ。

県議を辞めて立候補した西尾候補は、官有地については認めないという立場。土石審で議論されているのは国有林であるから、つまり認めないということ。この人が土石審メンバーだったら面白かっただろうと思う。それとも自民党を離れてから発言し始めたのだろうか。話はずれるが民有地から土砂・土石を採取する場合に何らかの許可が必要なのかどうか調べてみたところ、河川からの土石採取(河川法で規定)や、海岸での土砂採取についての制限しか見当たらなかった。

白石候補の回答は「総合的な産業としての振興計画が必要」だというもの。マクロの視点から見て計画を作るというのは行政の役割であるからこの回答は非常に優等生的である。しかし現実にはマクロ経済での「正解」だけでは、特定の現場で生じている軋轢を解決できないことをみんなが知っている。むしろ現場で起こっていることについての判断を下したうえでどう枠組みを組み替えていくのかが問われているのだから、鬼泪山についての態度を決めてから全体の計画を考えていくべきなのではないか。こういうことを書くと「合成の誤謬」と思う方もいるかもしれないが、すでに合成はなされているのであって、これをアップデートするのにミクロケースを検討するという段階にあると付け加えておく。

八田候補、吉田候補ともに土砂採取には反対。5人のうち4人までが反対で、白石候補だけが慎重な回答という意外なアンケート結果であった。

Comment

はじめまして
はじめまして。
鬼泪山問題に関心を持っている君津市在住の者です。
確か、土石審の自民県議=業者の請願を紹介した議員=白石支持派、だったと思います。
このあたりの利権関係は不明ですが・・・。

森田氏が反対の立場を出したのは、白石候補との差を打ち出すためではないでしょうか。
  • 2009/03/15 12:24
  • 弘野台
  • URL
コメントありがとうございます。
弘野台さま
そうですね。土石審メンバーの自民党県議4人は白石候補支持なのでしょう。
千葉県議会に自民党議員は現在55人(92名中)いますが、その中の森田候補と西尾候補支持の方々は鬼泪山の土砂採取に反対してもいいと思っているということでしょう。それが55人中何名くらいなのか分かりませんが、土石審委員4名が全員採取賛成というのが均衡を失しているかなと思った次第です。今森田・西尾候補を支持している県議員は当時はこの問題に関心を払っていなかったのかもしれません。

余談ですが、平成19年7月18日付総務部長文書によると、川名、吉本、信田3氏は県議会議長の推薦を受け、商工労働部がそのまま委員として決定しています。当時の議長は田久保尚俊氏です。
江野澤氏については、欠員が生じたため平成20年9月の定例議会で浜田穂積議長への一任がなされ、推薦されています。
  • 2009/03/15 15:20
  • omiya
  • URL
弘野台さま すみません
私の操作ミスで、いただいたコメントが表示できなくなってしまいました。ここに引用させていただきます。

「詳細な情報ありがとうございます。
大宮様の推察されるように、自民党県議員の多くは、鬼泪山の問題にさほど関心を持っていなかったのではないかと思います。
知事選の結果がどの程度土石審に影響するかわかりませんが、唯一反対していない候補が当選した場合、山砂採取に県民のお墨付きをいただいたような格好になるように思われ、
何となく気分がふさぎます。」

大変失礼いたしました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
  • 2009/03/17 08:42
  • omiya
  • URL
こちらこそよろしくお願いします。
ところで、鬼泪山問題が表に出た当初の昨年9月の時点では、
土石審メンバーの民主党議員は、竹内議員ではなく、
山砂採取業関係者の杉田守康議員でした。
いつの間に交代していたのかわかりませんが、
いろいろ憶測を誘われます。
  • 2009/03/18 23:49
  • 弘野台
  • URL
杉田議員は昨年の12月19日付で竹内議員に交代しています。委員の辞職理由は決裁文書には書かれていませんでした。邪推ですが、民主党の方針と杉田議員の選挙区(市原市)支持基盤あたりの兼ね合いなのではないでしょうか。
  • 2009/03/19 08:06
  • omiya
  • URL
初めまして。
私が公開討論会に行った印象を書きます。

白石候補は八ツ場ダムも継続派。公開討論会でも開発最優先のものすごい保守派、と言う感じでした。浜田氏など、土建業系の議員が主な支持者です。

西尾氏は、公開討論会の発言では、水道関係に詳しい方のようですが、鬼泪山は水が余っているので、水源涵養としては必要ないという見解のようです。
生態系や環境全体に関しては実のところあまりわかっていなそうでした。八ツ場ダムに関しては半年前までは推進派だったので、票の獲得、あるいは環境保護派の候補の票をとる、というのが立ち位置かと。

森田氏は公開討論会は欠席なのでよくわかりません。ですが、票の薄い地域の討論会に欠席を繰り返すこと自体、人口の少ない地域に興味がないと思いますし、支持基盤は自民党のみで、政党に関係ない、というアピールがうそっぽいです。また、政策実行の具体的なステップが見えてこず、傀儡系を脱していないと感じます。

吉田氏は政治家としては素人っぽく、支持者にやや振り回されている感がありますが、環境関係はよく勉強している感じなのと、自然環境を非常に有用な財産として重要視しています。
また企業人らしく財政再建に対してかなり具体的なプランがあるようです。

八田氏は5人の中では政治家として最も成熟した感じです。環境保護もやってくれそうですが、自民多数の議会と渡り合っていかれるのか、財源などの創生が出来るのか、などに不安が残ります。
  • 2009/03/27 00:23
  • 石長比売
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  • Edit
ご報告ありがとうございます
石長比売さま 公開討論会の様子、ありがとうございました。
森田候補の欠席、いただけませんねえ。

いよいよ明後日が投票日です。どうなりますやら。
  • 2009/03/27 09:43
  • omiya
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