千葉県土石採取対策審議会

1時半開始で12時から傍聴受付ということだったのでちょうど正午に会場へ到着したらもう遅かった。定員120名のところ、椅子を増やしてすでに150人が会場に着席しており、ロビーにも十数人いる。県の審議会を傍聴するのは初めてだが、なかなか盛況と言っていいだろう。

服装や人相で判断するのはいけないことかもしれないが、どうしても思ってしまう。ジャケットにネクタイ姿の男性は賛成派、普段着の中高年女性や脂っ気のない年配の男性は反対派か。若い男性は業者側の従業員か、学生風の男女数名はなんだろう?卒論のテーマにでもしているのだろうか?圧倒的に少ないのは若い女性、新聞記者にしかいない。自分はどっちに見られているのだろうとも思う。単なる野次馬で来ているわけでもないが、反対しに来ているわけでもない。心情的には鬼泪山が存続してくれればいいなとは思うが、見たこともない山にそんな感情を抱くのも僭越だろう。それよりもむしろ、ひとつの山が消えてしまうか、存続するかという分岐点に立ち会いたいという心情だ。そこでは誰が何をどう考え、どう動くのだろうか?

あふれた人たちが要望したためか、県商工労働部保安課のいきな計らいなのか、さらに7つの椅子が窓際通路に設けられ、それでもあふれた十数人は立ち見を許された。東京地裁が立ち見を認めないのに比べれば遥かにいいと思ってしまうのは去勢された国民だからだろうか。

立ち見のおかげで各委員の顔がよく見えた。会場はフラットなので、後ろの座席に座っていると何にも見えない。マイクを通じた声と、資料を首っ引きで複雑な説明を理解しようと努めるしかない。こちらは資料がないので、前の人のを覗き込む。請願書やちばぎん総研の報告書が添付されている。こんなに親切な資料を出してくれるとはちょっと驚きである。

14名の委員のうち、丸田恵美子東邦大学教授は欠席だった。少ししか調べていないのだが、この人の立場からは国有林の保全という結論が導かれるだろうと思っていたので少々残念。ただ、今日は初回なのでこれまでの経緯や請願の内容といった、「読めばわかる」ことしか議題にはなっていない。

冒頭、会長が選出された。西田孝千葉大学名誉教授の提案で、渡邉勉千葉工業大学教授が会長に、山田利博東京大学教授が副会長になった。これはこんな意味をもつ。

千葉県行政組織条例32条3項にこうある。
「会議の議事は、出席委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは議長の決するところによる。」

前回記したように、15名の委員のうち7名は賛成派と思われるが、西田教授はそこには入っていない。これで反対派はat most7人である。賛成派は、たったひとり切り崩せば勝てる。
ただし、この審議会ができるのはあくまでも「知事への建議」であり、最終的な判断は知事が行う。堂本知事は本件について慎重な姿勢を示しているが、3月の選挙で誰が当選するかによって結果は異なるだろう。

会議の内容は次の通り。
1.事務局から、これまでの土石審の答申内容と今回の請願の内容についての説明があった。
2.上記説明に対して吉本充委員から、「今回の開発計画地域は104林班すべてと、105林班の一部(104の南側部分)である」との指摘があった。
3.請願に、きなだ国有林同業組合の依頼によりちばぎん総研が作成した調査報告書が開発正当化の根拠となっていることから、竹内圭司委員から、同報告書の内容を前提とするのではなく、独自の調査が必要だとの意見があった(少々聞き取りにくかったので間違いあればご教示乞う)。
4.吉本充委員(富津市県会議員)から、次の意見があった。
(1)地下水が枯渇するのではないかという地元の心配がある。以前104林班の開発の際実施した環境アセスメントがあるので、資料として出してほしい。
(2)本件に関する風評として、山砂を洗った水が川から海に流れて汚染されるという話があるが、水は貴重なので循環させて使っているので問題ない。
(3)もうひとつ、山砂を取った跡地に産廃や残土が埋められるという話があるが国有林なのでそれはありえない、「ためにする反対」だ。

次回は現地視察、4月以降になる。

Comment

詳しいレポートどうもありがとうございました。
通常の審議会は10席。山砂採取に反対する堂本知事が120席を用意しました。
賛成派は朝早くから傍聴席を埋めるために現場の作業員を動員し、反対派も傍聴人を動員したことで157名の傍聴者を数える前代未聞の審議会になりました。

現地に行くとわかりますが、山砂採取の現場やあとには産廃が山になっており、建設残土の埋め立てが行われているのが実態です。
また、山や森の保水機能については東京大学の研究者調査をして、立証しています。
とはいえ、業種転換を含む産業構造自体の転換を行わなければ、山砂採取や産廃の問題は解決し得ないと思います。
山砂採取の実態はこちらをご覧下さい。

http://www1.cnc.jp/danpukaidou/zanndoyahaikibutunotouki.htm
上水道の主水源の隣に産廃の山が出来ています。
これをさらに繰り返すかどうかを、問題にしているのです。
  • 2009/02/06 22:18
  • 石長比売
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  • Edit
石長比売さん コメントありがとうございました。本当に前代未聞の審議会でしたね。

佐久間先生のサイトの写真も拝見しました。無残です。

「業種転換を含む産業構造自体の転換を行わなければ、山砂採取や産廃の問題は解決し得ない」というご意見には全く同感です。そしてその「転換」(するかしないかわかりませんが)の場面で生じる様々なことが、私には興味深く感じられます。
  • 2009/02/07 08:27
  • omiya
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