農村の景色を語る本……少ないです。

  • Day:2005.09.26 21:47
  • Cat:計画


 アスファルトで固める都市計画の本や、環境とか言ってコンクリートの一部を緑化する本が多いのに比べて、今ある農村の風景を語る本はこれしか今のところ知りません。
 私たちが農山村で感じる気持ちよさ/悪さがまだまだ言葉にされていないということでしょうか。
 本書は人工物や原色の少ない"美しい農村風景"を観光資源としての可能性を念頭に入れながら、いかに保存/復元していくかという手法までを提案しています。
 私も常日頃、都会に劣らず場違いなもののあふれる田舎の風景に困惑を覚えつつしかし仕方がないかと諦観を覚えているものですが、本書の持つ観光資源としての視点は一つの突破口となるのではないかと考えさせられました。要するに、派手な看板で得られる収入+景観維持の費用≦観光収入+気持ちよさ、であればいいのでしょう。
 こんな考え方はまるでミクロ経済学者のようですが、いいものはいい!と胸を張れるほど度胸の無い私にとっては一つの指針なのです。

Comment

農村の景色を語る本
確かに少ないです。特に農家の人の立場に立って書いた本は。

学者の人の景観論としての本はあります。でもこういった本はともすれば危ういです。それは誰がその景観を維持するのかということを無視した理想論だったりするからです。どんなに棚田が美しいといってもそれを維持してくれる人が必要です。それを年老いた農家の人たちにだけ負わせるのには無理があります。

ときどき農村の景観を維持するのは誰のためなのかと考え込んだりします。「田んぼのある風景は日本人の原風景だ」「だから農民は田んぼを作るべきだ」とある学者はいいます。でもその人自身は田んぼには入りません。雑草取りの大変さも知らず、「農民が除草剤を使うなんてもってのほか」といいます。気持ちよさが欲しい人が気持ちよさを作り出して欲しいと思います。

  • 2005/09/28 22:50
  • 紫陽花
  • URL
この本、病気で入院中の環境に興味のある友人に差し入れしました。ご紹介ありがとうございました。
  • 2005/10/02 20:41
  • 紫陽花
  • URL
宮本常一がいましたね。
紫陽花さん、いいコメントありがとうございます。
今週末関西に出張していて、帰路京都に寄りました。以前住んでいたあたりで、素敵な本屋があったので立ち寄り、宮本常一の本を買いました。そう言えばこの人は、知らず知らずのうちに農村の風景を饒舌に語っているんだなあと思い至りました。
この人は決して「景観を維持すべき」なんてことは言わず、とにかく膨大な写真と聞き取りの記録を残していますね。買ったのは佐野眞一編集の「宮本常一 旅する民俗学者」という本ですが、4000日旅したとは驚きです。
著作は膨大ですが、少しずつ読んでいきたいと思います。
  • 2005/10/02 21:30
  • ふろたつ
  • URL
Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。