旭市第一回行政改革推進委員会

先日行われた委員会の(私の思う)主な論点を記す。

現行の「旭市行政改革アクションプラン」は平成17年度~21年度版なので、それに続くアクションプランに対して、市民からの意見を述べるのが今回の委員会の最大の目的である。

現行アクションプランの基本方針は次の三点。

1.市民が親しみやすく、効率的で簡素な行政基盤
2.健全で持続可能な財政基盤
3.市民との協働によるまちづくり
1.の「親しみやすく」の意味合いについては議論があるだろうが、誰も反対のしようのない立派な文言である。

先日の会議では第二次行政改革アクションプラン(H22~H26年度)の策定方針が示された。要約する。

1.全ての事務事業について原点に立ち返り、再編・整理統合、廃止・統合、民間委託などの改革の目標を設定する。
2.余剰施設の再検討。
3.人件費の削減をはかりつつ、市民の期待に応えることのできる組織への再編を図る。

※ ※ ※

第一次に比べて、無駄をなくして厳しい財政運営をしていこうという気概が感じられる策定方針である。
その背景には、合併特例という措置が平成26年度で終了するという事情がある。

合併特例とは何か?

生半可な知識なのだが、合併が行われると人口が多くなるから一般的には交付される普通交付税の額は、合併前の総額より少なくなる。

旭市、飯岡町、干潟町、海上町がもらっていた地方交付税の合計よりも、合併後の「新」旭市が貰える額は本来ならば少ない。でも、合併してすぐには効率的にはできないだろうから10年間は大目に見るよ、というのが地方交付税における合併特例である。

20年度の旭市の地方交付税は75億8175万円で、これが27年度にはどのくらいになるのかはいろいろな要素があってはっきりは言えないのであろうが、たぶんかなり減る。そのために、削れるところは削ろうというのが今回の趣旨である。

もっと具体的に言うと、人口10000人の町がナイター設備付きの野球場を持っていてもおかしくはないけど、4市町が合併してできた6万人余の市に、4つのナイター設備付き野球場があるのは多すぎるだろうから2つぐらいにしょうかねということだ。

これが「スケールメリット」と称されるもので、本来ならば過大な施設を作らないで隣町と共同で作ればいいのに、「おらが意識」で作ってしまったものだから、これらを整理するためにも合併を促進したのだろう。(元々は、それぞれの市町での野球場建設に補助金を出したりした中央の無定見さがあるのではないだろうか?この部分未検証)

もうひとつ合併特例債というものがある。合併に伴う事業に対して、約95%までの起債を認め、その70%分は翌年度地方交付税で貰えるというものである。例えば10億円の事業で9億5千万円借金すると、翌年6億6千5百万円国からもらえるわけだ。でも2億8千5百万円は借金のまま。

これは合併推進のアメとして使われたのだが(つまり議員さんは反対しない)、利用しすぎると結局借金が増えるだけになってしまう。

旭市の場合280億円分のを対象とすることができるが140~150億円で抑えたいとの説明があった(事業費ベースなのか、起債可能額ベースなのかちょっと不明)。起債額が140億円とすると42億円は借金である。何に使うのかよく見ておかなければならないだろう。

※ ※ ※

ちょっとさびしいなあというのが第1回委員会に出席しての感想である。

「行政改革」にはもちろん、行政の無駄をなくす=コスト削減、民間に出せるものは出す=コスト削減、不要なものは改廃する=コスト削減、という面があるのは確かである。それはそれでいいことだ。

でも、それだけじゃあないはずだ。そもそも行政改革が唱道されたのは、行政組織の意思決定の遅さや、縦割り意識による無意味な不作為や、不透明な入札などなどが問題とされたからではないだろうか。それだからこそ一般人は「行政改革」という言葉にプラスイメージを持っているのである。

今回の基本方針はあまりにもコスト削減に偏りすぎている。スリムにした結果住民へのサービスが悪くなるなら誰にでもできる。スリムにしつつサービスを向上させる方策を模索しなければならない。

それは例えば近くの野球場がなくなったので遠くまで(それもたかだか数キロだろうが)行かなければならないというようなコンプレイントに対抗するために、野球場は4つから2つに減ったけど、予約するのが簡単になったり、対応がよかったり、足りない備品も借りられるようになったりというトータルでの利便性が向上したというようなことで納得いただくような絶えまない努力が必要になる。

そしてそのような努力をしようと思う市職員は多いと思う。

こうすればもっと市民のためになるのにと思っている職員は多いと思う。これは私の独立行政法人時代の経験からのことだ。

それを阻んでいる要素は多岐にわたる。無理解で覇気のない上司だったり、横やりをいれてくる議員だったりするだろう。同じヒラでも前例がないとか言う輩もいるかもしれない。

そういうものをとっぱらうのが一番の行政改革だ。そのための方策ならば職員は喜んで知恵を絞るだろう。銚子市では「総提案運動」というのを実施した。市職員一人ひとりが何でもいいから行政改革に関する提案を少なくとも一つするというものだ。何が自分たちの理想を阻んでいるのか、それを見つめなおすきっかけが行政改革だ。
スポンサーサイト

【旭市】行政改革について【ご意見募集】

市の行政改革推進委員が公募されていたので、「魔がさして」手を挙げたところ委嘱を受けた。

今月21日に第一回委員会があるのでにわか勉強しているが、どうにも追いつかないので読者諸氏のお知恵を借りたい。ご意見を乞う。

応募時に提出した申込理由に書いたように、私は行政改革の一番重要な点は公務員の意識改革だと思う。これが最もコストがかからずに、最大の効果を生むと考える。

住民を顧客とし、その満足度を重視すると言うとマクドナルド的な「笑顔のサービス」を思い浮かべる向きもあるかもしれないが、そうではない。もちろん窓口の人が普通に愛想がいいのはうれしいが、もっと重要なのは政策立案、事業実施の段階で、「本当に」住民の役に立つことを心がけることだ。市役所内部の現状をあまり知らずにこんなことを言うのは申し訳ないが、たぶんまだまだ国(総務省)の行革推進指針を「アリバイ的に」こなさなければならないというような意識があるのではないかと邪推している。(そうではない!という方がいらっしゃることを期待する)

2005年に出された総務省の行政改革の指針の項目は次のようなものである。

1 行政改革大綱の見直しと集中改革プランの公表
2 説明責任の確保
3 民間委託等の推進
4 指定管理者制度の活用
5 PFI手法の適切な活用
6 地方独立行政法人制度の活用
7 地方公営企業の経営健全化
8 第三セクターの抜本的な見直し
9 地方公社の経営健全化
10 地域協同の推進
11 行政ニーズへの迅速かつ的確な対応を可能とする組織
12 定員管理の適正化
13 給与の適正化
14 定員・給与等の状況の公表
15 福利厚生事業の実施状況の公表
16 人材育成の推進
17 構成の確保と透明性の向上
18 電子自治体の推進
19 経費の節減合理化等財政の健全化
20 補助金等意の整理合理化
21 公共工事の入札・計約の適正化
22 公的施設の新設・増築の抑制
23 地方議会の適切な運営

こんなに細かく例示されていると、ついつい各項目を網羅したアクションプランを作るのに精一杯になってしまって、もっと実情に適したアイデアが生まれなくなってしまうのではないだろうか。若干同情の余地がないでもない。

例えば、次のようにシンプルにして、具体的な方法は各自治体に任せるという風にできないのか。

1.健全な財政
2.住民のニーズへの迅速・的確な対応
3.意思決定プロセスの透明化と説明責任の実施

さて、これに基づいて作成されたのが旭市行政改革アクションプラン(2005年~2009年)である。

具体的な推進項目を列挙する。

1 組織・機構の再編
2 組織の再配置
3 定員適正化計画に基づく定員管理
4 任期付職員制度の導入
5 再任用制度の活用
6 臨時職員等の見直し(削減)
7 給与の適正化
8 特殊勤務手当の見直し
9 時間外勤務手当の縮減
10 給与等の公表
11 人事行政運営の公表
12 福利厚生事業の見直し・公表
13 人材育成基本方針の策定・実施
14 新たな人事評価制度の構築
15 接遇研修等の実施
16 本庁・支庁間等の相互の人事異動
17 事務事業のマニュアル化、引継ぎの徹底
18 フロアマネージャーの設置
19 支所庁舎の有効利用
20 新庁舎建設計画の策定等
21 行政評価システムの導入
22 市バス運行事業の整理
23 集会所(青年館等)の区への譲渡
24 勤労青少年ホームの廃止
25 消防団組織の再編
26 コミュニティバスの再編
27 各種審議会等の整理・統合
28 会計事務の合理化
29 指定管理者制度の導入のための環境整備
30 指定管理者制度の活用
31 次の業務を民間委託
  ・学校給食調理等業務
  ・学校用務員事務
  ・保育所給食調理業務
  ・クリーンセンター業務
32 電子申請の導入
33 行政ホームページの充実
34 電子入札の導入
35 電子決裁の導入
36 統合型GISの導入
37 土地開発公社、千葉県食肉公社の経営健全化
38 企業誘致活動の推進
39 少子化対策の推進
40 市税徴収率の向上
41 未利用資産の処分
42 使用料・手数料の見直し
43 使用料・手数料等の滞納の解消
44 市の刊行物等への有料広告の掲載
45 予算編成と行政評価との連動
46 競合する施設の統廃合・有効活用
47 補助金・交付金等の見直し
48 各種審議会委員等の報酬額の見直し
49 同種の契約の一本化
50 公共工事のコスト削減
51 病院事業
  ・組織体制の整備
  ・病院の機能に応じた医療サービスの提供
  ・人員確保
  ・医業収益の確保
  ・施設の耐震化及び医療環境の整備
  ・アウトソーシングの拡大
52 水道事業
  ・新市水道事業排水施設整備計画の策定
  ・不均一料金の統一
  ・中期経営計画の策定
53 公共下水道事業
  ・下水道全体計画の見直し
  ・投資の効率化
  ・トイレの水洗化促進の強化
  ・負担金・使用料の滞納の解消
  ・経常経費の縮減
54 農業集落排水事業
  ・中期経営計画の策定
  ・効率的な施設整備
  ・公共枡への接続率の向上
  ・処理関係機器の計画的・効率的な更新
55 国民宿舎事業
  ・経営診断の実施
  ・経営改善計画の策定・実施
56 市民にわかりやすい予算等の公表
57 地域懇談会の開催
58 市長への手紙の創設
59 まちづくりサポーターの設置
60 子ども議会の開催
61 パブリックコメント制度の導入
62 各種計画策定時の公募委員の参画拡充
63 市民参加の広報づくり
64 地域共同を推進する組織の新設
65 コミュニティ、市民団体、NPO等の育成・支援
66 活発なコミュニティ社会の構築
67 市民参加型イベントの拡充
68 パークサポーター制度の創設・拡充
69 インターネット等による議会中継の導入
70 会議録検索システムの導入
71 広報機能の強化

ざっと見た感じでは次のような印象を受ける。

1.レベルがまちまち。行政評価システムの導入といった大きな話から、フロアマネージャーの設置といった非常に個別具体的な話までが同じレベルで扱われている。縦割りの特徴の一つ。
2.「公表」という言葉がいくつも出てくる。給与等、人事行政運営、福利厚生事業、市民にわかりやすい予算等の公表といった具合である。これも各部署から出てきた案を、シャッフルせずにそのままホチキス止めした結果だろう。情報公開は行革の大きな柱だからいずれも歓迎なのだが、まとめ方としては大項目として「行政情報の公開」として、その下に何を公開するのかを挙げたほうが行革の趣旨に沿うだろう。何を非公開とするのかを決め、それ以外は公開とすればより分かりやすい。
3.この機会に何でも入れちゃえっていうのが目立つ。新市庁舎は行革に逆行するのではないか?使用料・手数料等の滞納の解消や病院事業の定員確保、農業集落排水事業の中期経営計画の策定なんて、行革と無関係の本来の仕事じゃないの?

今回の行革推進委員会は、次のアクションプラン策定が議題となっている。「62各種計画策定時の公募委員の参画拡充」の具体例な訳だ。議論の詳細は出来る限りお伝えするつもりである。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。