上水道が普及すると環境破壊が進む(?)

前回の記事で産廃処分場の許可処分が取り消されるという画期的な判決を千葉地裁が出したことをお伝えしました。

論点の一つとして、適用法のことを述べましたが、もう一つ大事な論点が「原告適格」の問題です。

原告適格とは、平たく言うと裁判を起こすことができる資格のことです。行政訴訟法では「法律上の利益を有する者」というよくわからない書き方がしてあります。

奄美大島のゴルフ場開発を巡って争われた「アマミノクロウサギ訴訟」では、アマミノクロウサギ、オオトラツグミ、ルリカケス、アマミヤマシギが原告に名を連ねて有名になりました。結局動物は原告にはなれないということで原告適格が認められませんでした(この判決では人間及び任意団体も原告であるが、「個別的利益を有する者には当たらず」原告適格が否定された)。

今回の産廃処分場許可処分取消訴訟でも、原告6名のうち4名については原告適格が認められませんでした。

逆に言うと、2名(AさんとKさん)の方はどうして原告適格が認められたのでしょうか?

判決文によると、Aさんは「地下水を生活用水及び農業用水として利用していること」、Kさんは「水田近くの湧水を配水管で水田に送水し利用していること」が決め手となっています。(Kさんの場合はさらに処分場予定地から200mの畑で耕作していることから「生命又は身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれがある」と述べられている)

つまりお二人とも地下水を利用しているわけです。原告適格を却下された他の方は、上水道しか利用していません。

これは皮肉な現象ですね。安全な飲料水を提供するための上水道が、環境を守るための数少ない手段である裁判を起こす資格を剥奪しているのです。

農業用の水についても、認められたお二人が灌漑用水を用いていれば適格性が認められなかったんですね。

今や上水道の普及率は96.3%だそうです。
地下水を利用しましょう!(但し、地盤沈下のおそれのないところで)


shouso2

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産廃処分場許可が取り消された!本邦初?

  • Day:2007.08.22 00:17
  • Cat:計画
gyouseisoshouhanketsu


午後1時から、千葉地裁でエコテック産廃処分場許可処分取り消し訴訟の判決がありました。原告は産廃反対東総住民連絡会の6名、被告は千葉県です。

結果は、なんと、勝訴!

原告6名のうち、2名の原告適格を認め、エコテックの処分場計画には経理的基礎がないため、これを認めた県の許可は違法だと、裁判所が判断しました。

産廃処分場の許可を取り消す判決は初めてのことだそうです。

写真は判決後弁護士会館で行なわれた勝訴報告会と記者会見の模様。右の方は弁護士さん、他5名は原告の方々です。

そもそもエコテックが設置許可申請をしたのは平成10年6月8日のこと。平成9年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律が厳しく改正され、その施行日が平成10年6月17日だったので、その直前に申請したのですね。

県は平成11年4月27日に不許可にしました。

すると、エコテックは厚生大臣に行政不服審査請求をします。

厚生大臣は平成12年3月30日に、県の不許可処分を取り消します。

困ったのは県です。厚生省には逆らえないし、住民の反対はあるし。でも結局平成13年3月1日に許可します。

住民は許可処分の取り消しを求めて提訴しました。

で、今回の判決です。

県には若干同情しますが、やはりブレまくった自業自得でしょうね。

厚生省はひどいですね。と思いましたが若干の分析。

処分場設置業者に経理的基礎を求めているのは平成12年の法改正です。これは同年10月1日に施行されて、過去に申請されたものにも適用されるという(所謂遡及適用)ことが定められています。

厚生省の裁決はこの改正が施行される前の平成12年3月30日。
千葉県の許可処分は施行後の平成13年3月1日。
この二つの行政判断は、僅か1年の間になされたにもかかわらず、12年の法改正施行の前後ということで、決定的に異なるのです。
厚生省が判断した当時は、申請業者の経理的基礎を審査することは県には求められていなかったため、県の不許可は問題があるということになり、県が許可したときには逆に経理的基礎を審査する必要があったのですね。
県としては、厚生省にケツをもっていくわけにもいかず、ほんとに困った状態ですね。平成12年の法改正を知っていたのだろうかと呆れる思いもします。でも逆に、県が改正施行前に(平成12年10月1日前に)許可処分を出していたらと思うとぞっとします。今回の判決の論理構成からすると適法ということになってしまいますから。

法律には従わなければならないですが、法律に瑕疵があることももちろんあります。そのために改正がなされるわけですが、あまりにひどい法律については、立法機関の不作為責任を追及することも必要ですね。国は国民の健康で文化的な生活を守る義務があり、そのために国民は税金を支払っているのですから。

洪水の白ナイル

floodwhitenile


「エジプトはナイルの賜物」とヘロドトスが言っていますが、スーダンもナイルの恩恵(と被害)に与っています。ここはハルツームの南、溢れているのは白ナイルの水。川沿いに南下する幹線道路が一部流されてしまったので、水たまりの中を川側に迂回しているところです。

7月の下旬から3週間、スーダンに行って来ました。独立後内戦が長く続いていましたが、2005年に和平合意、ダルフール問題はまだまだ深刻ですが一応南部は平穏が保たれているようです。

今、スーダンと日本を舞台にしたドキュメンタリー映画を撮っています。今回はその第一次ロケーションでした。カメラマンと二人の珍道中でしたが、ハルツーム、アガリブそしてジュバで出会った人たちに助けられて、何とか予定していた撮影ができました。

スーダンで出会った人たちはとっても親切でした。バスの乗り方が分からず困っていたら、ちょうど同じ方向に行くおじさんが連れて行ってくれて、お金まで払ってくれたり、アガリブという村では、「日の出と日没を撮影するために泊まりたい」と急に言い出したわがままな私に二人のスーダン人同行者が付き合ってくれて、村はゲストハウスに食事と蚊帳つきベッドまで提供してくださいました。お土産も十分に用意せず、すっかり甘えてしまいました。

治安もとても良かったです。うるさい客引きや物売りもいません。気候は、暑いといっても日本の夏と同じ程度、夜は涼しいくらいです(これはちょうど雨期だったからでしょうが)。

第二次ロケーションは年末の予定。スーダンの人たちの声を記録すること、伝えることが今の私のテーマです。

ahmed

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