永遠のレモンちゃん

37年前、中学三年生。深夜ラジオをよく聞いた。当時の人気番組は文化放送の「セイ・ヤング」、月曜日のDJレモンちゃんこと落合恵子さんの美声に聞き惚れた。

そして今。7月16日のさよなら原発10万人集会での落合さんの声に、胃の腑が突き上げられる思いぞする。


私たちは命への暮らしへの重大なる犯罪と侵略行為の共犯者になる事はできません。
私たちはみずからの存在にかけて戦うことをやめません。
戦うことを人間の誇りにしていきましょう。
私達は決してひるみません。
私達は決して後戻りしません。
原発は要りません。
再稼働許しません。
原発輸出させません。
全ての原発廃炉にします。

私達が守るのはたったひとつ、命です。
私達が守り続けるものも命です。
命であり、暮らしであり、田畑であり、海であり、空であり、全ての命。
脅かされてなるもんかと思います。

原発はもとより、オスプレイも基地もぜんぶ反対です。
なぜなら全てが命を脅かすものだからです。
私達は全ての命を脅かすものと、ここで対峙していきましょう。

子供がいて、お年寄りがいて、人と人とがつながっていて、夏の夕暮れ時には蚊取り線香の煙が上がって、みんなでスイカを頬張って、あの日常を返せぇ!
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原発報道検証番組の決定版

以前松本サリン事件をメディアがどう伝えたかを、松本美須々ヶ丘高校放送部がテレビ報道記者へのインタビューを通じて明らかにしたドキュメンタリー映画『テレビは何を伝えたか -松本サリン事件のテレビ報道から-』をご紹介した

原発事故報道でもマス・メディアの姿勢が批判されているが、どの局が何をどのように伝えたか、伝えなかったかを、実際の放送VTRを使って批判的に検証したのが、『徹底検証!テレビは原発事故をどう伝えたか?』である。

全体が5つのパートに分かれている。
Part1 緊急事態をどう伝えたか?
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1343
Part2 避難指示をどう伝えたか?
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1344
Part3 1号機爆発をどう伝えたか?
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1345
Part4 被曝リスクをどう伝えたか?(前編)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1347
Part4 被曝リスクをどう伝えたか?(後編)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1346

有名になった「爆破弁(水素爆発のことをこう強弁)」「ただちに健康に影響はない」という発言はもちろん、「スリーマイルよりは軽微」だとか、貴重な発言が収録されている。

番組独自の視点としては、パート1で各局が原発に触れた時刻を比較した点が興味深い。四角い建物(原子炉建屋)を津波が襲う映像を流しながら、当初は原発には一切触れない白々しさを指摘している。また、水素爆発を意図的な爆破弁であると解説しはじめた時間が各局同時であることや、NHKの山崎解説委員の言い回しが微妙に変化してきたことなど、当時は気付かなかったことを教えてくれる。

特筆すべきは各局の放送した映像を使っていることだろう。もちろん許可は得ていない。著作権を侵害しているとして訴訟を起こされるリスクもあることを、司会の白石草さんも言っている。
だけどあえて番組内に収めた。実際に放送された映像を見ながら出なければ、この手の検証番組はわけのわからないものになってしまうからだ。そして、リスクを冒してもやる価値があるとOurPlanet-TVは判断した。喝采ものだと思う。

一定程度の著作物の引用は活字の世界では当たり前である。だがなぜか映像作品ではどこまでが許されるのか、そもそも許されるのかが明確ではない。ほんの10秒引用させてもらうだけでも、著作権者に許可をとり、場合によっては高額の使用料を支払うのが現状である。JASRACのような著作権処理機関もないので、非常に手間がかかる。

昔はテレビや映画といった映像作品を手元に置いておくことが一般の人はできなかった。だが今は違う。地上波もBSも映画(DVD化されていれば)も、簡単にパソコンに取り込んで必要な部分を抜き出すことができる。状況が変わったのだから、映像作品の引用についての考え方を詰める必要があるだろう。

私は基本的には活字の引用と同様に考えていいと思う。著作権法にはこうある。活字も映像も区別していない。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

もうひとつ、例の「笑っている人には放射能は来ない」「プルトニウムは飲んでも(大丈夫)」発言を引用した傑作がある。

『スイシンジャー 異形編』

小出裕章助教とスイシンジャーのやりとりは爆笑ものだ。


大切なものは

郡山市から横浜に避難している小学4年生の冨塚悠吏君は、1月14日横浜の脱原発世界会議で問うた。

国のエライ人たちに言いたいです。
大切なものは僕たちの命ですか。
それてもお金ですか。

歴代政権で小学生からこのような問いを受けたのは野田内閣が初めてであろう。
エライ人たちはきちんと答えなければならない。

http://youtu.be/ENRI1QT668s

南相馬市

緊急時避難準備区域を歩いた。

震災・原発事故から半年、この間に見聞きした大量のヴァーチャルな情報とリアルな体験との間に救いようのないほどの溝が生じてきていた。だからどうしてもこの目で見なければという衝動に駆られた。

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常磐線の原町(はらのまち)駅から南、広野までは不通である。原町から北へ向かう相馬までも不通である。同じように不通であるが、両者には決定的な違いがある。相馬までは代行バスがあるのに、南へ向かうバスはない。写真は原町駅の南。


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海岸近くには震災ごみの集積所があった。すごいなと思うのは、がれきが鉄、コンクリート、木などにきちんと分別されていること。しかも木は材木と樹木に分けてあり、キャンプファイヤーの薪のようにきちんと井桁に組まれていた。何台もの大型ユンボ一つ一つこれらを「所定の」位置に置いてきたのがこの半年だったのだろう。

原町駅前にはホテルが5、6軒あった。人通りも少なく、開いている店舗も数えるほどだから、当然ホテルはガラガラだと思ったのだが、いずれも満室だとのこと。当日の一人客を敬遠して断られたのかと思ったがそうでもないようだ。原発で働いている人や、がれきを分別している人、市役所に助っ人で来ている人などが泊っているのかもしれない。


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無事であってほしい。

「セシウムさん」の謎

20数年前テレビ業界に入って新鮮に響いた業界用語が二つある。「完パケ」と「ピーカン」だ。いずれも業界で働く者たちの気分を象徴している。よく言えば明るい。悪く言えば真剣に考えることを好まない(少なくとも私のまわりである)。

前者は完全パッケージの略で、番組が(CM部分は黒みの状態だが)完成した状態、それが録画されたビデオテープのこと。「いつ完パケできんだよ~」とか「完パケ納品してきて」というように用いる。私にとっては達成感と虚脱感が付着した言葉だ。

もうひとつの「ピーカン」は、雲ひとつない青空、若しくはそのような晴天のこと。ただ、夏のギラギラした太陽の昇る青空よりも、真冬の西高東低の気圧配置の時に太平洋側で見られるような青空のほうがこの語には似つかわしいように感じる。

どちらも破裂音「p」と「k」があることが共通点で、この2音が突き抜けるような語感を醸し出している。似たような語感を持つ言葉として、「パーペキ」、「ポッキリ」、「木端」、「缶ピー」などなど。


さて、東海テレビの番組「ぴーかんテレビ」が、不適切なテロップが流れた件で打ち切りになった。視聴者プレゼント岩手県産ひとめぼれの当選者発表テロップが、リハーサルで使ったものが流れてしまい、しかもそこには「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」と書かれていたのである。

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スタジオ番組では出演者やスタッフのテンションを上げるために、リハーサルでいろいろな冗談を言うことはある。観客のいる場合などは特に、彼らのリアクションが番組の雰囲気を左右するから、フロアディレクターが観客を笑わせ、盛り上げるように苦心する。「前説」だ。

今回の「セシウムさん」テロップも、テロップ作成者がみんなを笑わせようとして作成し、それがたまたま誤って本番でも流れてしまったのだろうと思っていた。しかし、番組や東海テレビの説明を見ると、いくつかの謎が残る。

1.テロップが流れたタイミング
23秒間の「セシウムさん」テロップが表示されたのは、稲庭うどんの通信販売のVTRが放映されていた途中である。23秒間の間も音声は流れ続け、「厳しい自然環境の中で職人さんの技による…」という音声が流れている。どうしてこのタイミングで画面をテロップに切り替えたのか?それがまず第一の謎である。

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本来当選者を発表するテロップが流れるべきタイミングで、リハーサル用に制作したテロップが誤って流れてしまったのであれば理解できる。いや、当選者発表とは無関係の別のテロップが流れるべきところで、誤って流してしまったのということでも構わない。それならばテロップを出すというオペレーションそのものは正しくて、準備されていたものが間違っていた、ということだからだ。

しかし今回は、約10分の通信販売VTRを流している途中で「セシウムさん」テロップが表示された。10分の通販VTRを流している時というのは、生放送のスタジオにいる出演者・スタッフは本来何もしなくてよい時間である。ただVTRを流していればよい。なのになぜ、画面切り替え操作をしたのか。

東海テレビの説明では、この間にエンディングのリハーサルをしていたらしい。23秒間もミスに気付かなかったのはリハーサル中だったからオンエアモニターに注意していなかったからということである。ミスをしたのはタイムキーパーで、この間に別の作業をしていて誤って「セシウムさん」テロップをオンエア用の「T1」ラインに乗せたとのことだ。このあたりの仕組みは説明番組ではよくわからないのだが、とにかくオンエアしているものには何も手を出す必要がない場面で、不必要なものをオンエアさせてしまったのは信じられないミスである。

2.手書きの当選者名
結局本当の当選者名はエンディングにフリップで放送された。しかしこのフリップが異様だ。そこには3名の名前がカタカナで手書きで書かれていた。これまでこの番組を見たことはないので不明だが、これはいつもの方式なのだろうか?それともいつもはちゃんとCGで名前を書いたテロップを流すのだが今回は急遽スタッフが書いたのフリップを使ったのか?。CG制作者がスタンバイしているのだから後者だとは思うが、なぜテロップと同デザインのフリップがあったのかやや疑問も残る。

後者だとして、ではなぜ今回は手書きのフリップなのか?CG制作者が作った本当の当選者名入りのテロップはなぜ使われなかったのか?まさかCG制作者は本当の当選者名入りテロップを作っていなかったのだろうか?

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CG制作者が本番用のテロップを作っていた場合なぜそれが用いられなかったのか?混乱してどこにあるのか不明だったのかもしれない、あるいはもうその制作者を信じられないので手書きで作成したのだろうか。

3.CG制作者はなぜ頑なに訂正を拒んだのか?
東海テレビの説明によると、前日の打ち合わせでタイムキーパーがCG制作者に訂正を申し入れたが訂正されず、当日本番前になっても訂正されていなかったので再度タイムキーパーが訂正するよう言ったという。しかしCG制作者は結局訂正しなかった。いったいこの頑なさはなんなんだろうか?

CG制作者の気持ちを考えてみると、せっかく「傑作」を作ったのだからスタッフ・出演者に一目でも見てもらいたい、本番用のものは別にちゃんと作ればよい、というようなところであろうか。しかしその肝心の本番用のテロップは本当に作られたのだろうか?

4.なぜリハーサル用のものが作られたのか?
プレゼントの応募締め切りがいつだったのかわからないが、東海テレビの説明では前日にタイムキーパーがCG制作者に会い、テロップを確認したことになっている。そのとき「セシウムさん」テロップを見て、訂正するように伝えたが伝わらなかったとのことだ。

わからないのは、当選者がいつ決定したのかである。放送前日であれば当選者が確定していてもおかしくない、というよりも、段取りを考えれば本番前日には当選者が決定できるように締め切りを設定し、本番用のテロップを制作してもらうのが自然な流れだろう。

百歩譲って本番前日にタイムキーパーが確認したテロップがリハーサル用のものだとして、わざわざリハーサル用のテロップをタイムキーバーが確認しに行くというのはどうも不自然な気がする。そもそも、リハーサル用のテロップをわざわざ作るだろうか?「岩手県産ひとめぼれ10kg当選者」という文言は毎回変わるから確認する必要はあろうが、当選者が決まっていない段階でリハーサル用のテロップを確認しに行ったという説明は納得しがたい。リハーサル用のテロップなんて、はっきり言ってなんでもいいのである。「ここに当選者名が入ります」と書いたもので十分なのである。

5.リハーサルでは何が使われたのか?
東海テレビの説明に出てこないのが、実際のリハーサルで「セシウムさん」テロップが使われたのか否かという点である。通常の番組では本番直前にリハーサルをするが、そうであれば、そこではリハーサル用の「セシウムさん」テロップを用い、わずか数十分・数時間後の本番では当選者名入りのテロップを使うというのは奇異に感じられる。しかもこの番組で当選者発表が行われたのはエンディングあり、そのリハーサルは本番中の通販VTRが流れているときに行われたのだからタイムラグはさらに小さい。本番中に行われたリハーサル時に、本番で用いるものとは別の「リハーサル用の」テロップが使われたという理解不能の事態となってしまう。

6.勘繰り
以上のようなことを考えると、次のような流れが自然なのではないだろうか。
タイムキーパーは本番前日にCG制作者のもとに、テロップを確認しに行った。ただし、これはリハーサル用のものではなく、本番用のものである。テロップは他にもたくさんあった。CG制作者はタイムキーパーにふざけて作った「セシウムさん」テロップを見せた。タイムキーパーは「何バカなもん作ってんのよ。ちゃんとしたのを明日持って来て」と言い、他のテロップはプリントアウトして持ち帰りディレクターと打ち合わせたが、当選者名のテロップは明日できるとしか言わなかった。

当日、CG制作者は「セシウムさん」テロップしか持って来なかった。タイムキーパーは当選者名入りのものを作るようCG制作者に言った。そして本番になったが、CG制作者はまだ当選者名入りのテロップを作っていなかった。

そうこうするうちに通販VTRの時間になり、エンディングのリハーサルが始まった。当選者発表のテロップに切り替えようとしたときに、タイムキーパーはちゃんとした当選者名入りのテロップが用意されているものと思い込み、画面をこれに切り替えた。が、そこには「セシウムさん」テロップしかなかった。さらにタイムキーパーはオンエアラインに切り替えるというミスを犯してしまった。そしてオフラインのモニターに当選者名テロップが表示されないのを不思議に思いながらも、「セシウムさん」テロップがオンエアされているのを23秒間気付かなかった。番組は打ち切りになった。

CG制作者が何を考えていたのか、それが最も知りたいことである。
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