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むしかえし

  • Day:2018.12.25 11:26
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小三で引っ越すまで住んでいた家は薪で焚く風呂だった。
台所の隅、床よりも一段低い半畳ほどの三和土にかがんで、釜に焚き木をくべ、火をつけて風呂を焚いていた。風呂の水は毎日換えるわけではなく、2~3日に一度換えていたと記憶する。

「今日はむしかえしでいいよな」
「いいよ」

両親がしばしば交わしていたこの会話は、昨日の水のままで風呂を焚こうということを意味していた。
「むし」というのは「燃す」ということなんだと思う。「むしかえし」には新しい水から焚いた湯―新湯に劣ったものというニュアンスがある。

* * *

母が最初に身ごもった胎児は、流産してしまった。男の子だったと両親から聞いたが、今思えば流産した胎児の性別が分かったのか疑問だ。

その話を何度目かに聞いたとき、単純に思って口に出した。

「兄ちゃんがいたら良かったなぁ」

すると父は、言った。
「そうしたら直明は生まれてなかっただろうな」

私は何を思ったのかこう答えた。
「じゃあ、オレは『むしかえし』かよ」

両親の反応は覚えていない。苦笑いしたのか、きょとんとしたのか。

* * *

私はその当時(小学校低学年)、こどもができる仕組みを知らなかった。女の人はある年齢に達して結婚すると自然に妊娠するものだと思っていた。

だから自分が生まれたのも、母が自然に妊娠した結果だと思っていた。母は二人の子供を産むようにあらかじめ決められていて、もしも兄が生まれていたら、姉の次の私は生まれていなかった。兄が流産したために、私が生まれることになった―そんな気持ちで「むしかえし」という言葉を使ったのだ。子供の誕生には誰の意思も介在していない。あえて言えば、神または自然の摂理であると考えていた。

そして、新湯ではないちょっと劣った生まれなのか?という意味を込めて応答した。冗談ではあるが僻んで見せたのだ。

しかし後年、こどもができる仕組みを知るとともに、風呂をむしかえすという行為には、燃やし手が存在することにふと思いいたった。そうすると、私の発言は私の意図とはかなり異なる意味合いを持つことになる。つまり、風呂をむしかえすように、私をむしかえしたんだなという意味になる。誰がむしかえしたか?もちろん両親である。

果たして私の発言を聞いた両親は、そのように受け止めたのだろうか?たぶんそうであろう。私の意図は全く幼い素朴なものだったのに、両親は非難がましさを感じたかもしれない。

両親はともに鬼籍に入っているが、いつか誤解を解きたいものだと思っている。



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藤棚その4

咲きました。
fuji2014

夏目の堰がこんなことに!

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数年ぶりに夏目の堰に行ってみたら、篠竹のすきまからちらっと見えた水面に数え切れないほどの白鳥がいて思わず声が出た。以前はこんなにいなかったのに、いつの間にか白鳥の越冬地になっていたのですな。これまで冬を過ごしていたところがなくなってしまった、というような事情でなければいいが。

でかい望遠レンズのカメラマンも10人ほど。

藤棚その3

いよいよ藤棚の屋根部分。我が家の裏庭に勝手に生えて来る竹を使う。短い部分をまず先に。使っているのは倉庫に生えて折れ曲がった竹。上に凸になるようにする。

bamboo1.jpg

釘で止めてから、棕櫚縄で結ぶ。このいぼ結びの方法が分からず、ずいぶん悩んだ。
ibomusubi.jpg

長い桟はまっすぐな竹を使う。

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とりあえず、完成。

bamboo4.jpg

今咲いている花

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ハイビスカス